アジアを旅する -3ページ目

Happy new year!

みなさん、あけましておめでとうございます。
もう、今日から2006年なんですね。
去年は、タイ、カンボジア、そしてインドと、旅をすることができこれまで生きていた中でもかなり充実した一年だったとおもいます。 今年は日本での生活が忙しくなりそうなのでなかなか旅することもできないかもしれませんがどうぞよろしくお願いします。
とりあえず今年の目標。インドの旅行記完結へ!
・・・って全然更新できてませんのでコツコツ頑張ります。
みなさん良い新年を。

カンボジアの匂いがしそうな

他の旅ブログなどでカンボジアのエピソードを読んだらまたカンボジアに行きたくなってきた。シェムリアップでの日々が懐かしい。またいきたいなあ。うまい写真が撮りたいなとか。

前回の記事Nikon D50が欲しいと書いた。今週たまたま東京に行く用事があったのでついでに秋葉原をのぞいてみた。うーん、やっぱりD50なんだかんだで僕にはちょっと高いかも。でも実際あれこれさわってみて、よりいっそう欲しくなった。一眼レフのオートフォーカスがあんなに早いことに感動した。

うまい写真が撮りたい。でも、本当はカメラの性能なんかより撮る人の腕しだいなんだろうなあ、と思う今日この頃。

物欲ふつふつ

たまには最近のことを書いてみよう。

インドでは見事にデジカメを無くしたわけだ。別に日本で毎日写真を撮ることも無いのですぐに欲しいわけではないけど、やっぱりなくしたものはまた買いたくなる。

前でデジカメはオリンパスμ-mini DIGITAL。ちっちゃくて生活防水つきだったからアジアの旅には最適だった。オレンジ色結構気に入ってたのになあ・・

ふとちかくの電気屋さんにいってみるとNikon D50レンズセットが1GのSDカード付きで89800円くらいで売ってた。デジタル一眼レフも安くなったものだ。。
ちなみに、Nikonでは
Nikon Imaging|D50 1万円キャッシュバックキャンペーン
ってのをやってるらしい。一万円もキャッシュバック!。

デジタル一眼かあ。忙しくて使う機会が少なさそうな気もするけど写真撮るの好きだし買っちゃうか。9万あったら海外いけるなあ、とか悩み中。来週には買ってそうな予感もするけど。

なんだかんだで、旅に行って節約してるけど、旅に行く前の「その他」の出費が多い気がする。
そうそう、インドの盗難の保険は無事に降りて、現金以外のほとんどがキャッシュバックされました。保険の力は素晴らしいと思った。振り込まれたお金を見て実感する。


ココナッツおやじ

サトナのバスステーションに着いついたら、
「カジュラホーへのバスはすぐ出るぞー、早く乗るならのれ!」
と言いながらバスの運転手が近づいてきた。

ギリギリセーフだったみたいだ。もし、あと5分駅でカジュラホーを目指すか悩んでたら乗り遅れたところだった。どうやら運は少し向いてきたみたいだ。
2人分の料金130ルピーを支払ってバスに乗り込む。
これで所持金が二人合わせて4ルピーになった。これだと一人分のチャイ程度しか買えない・・・ってことになる。
なんかかなり悲劇的なシチュエーションなんだけど、なんか笑えてくる。だって、4ルピーだけしかなくてもバスはちゃんと進むし、こうやってカジュラホーを目指して旅しているじゃないか。すっからかんになっちゃったけど、どうにかここまで進めたし、カジュラホーに着いてからもなんとかなる気がした。

あ、でもバスの中は辛かった。
ギュウギュウ詰めだし、雨降ってかなり寒いし。入り口のドアは全開で走るし。そして、やっぱりヒモジイよ。飲まず食わずで朝9時半から午後3時までバスはさすがに堪えた。
バスの中から外の景色を期待して見てたんだけど、雨が降ってたせいで外は暗くて陰鬱な景色にしか見えなかった。気分もそれに同調して暗く落ち込みそうだったから、故意に見るのを避けた気がする。目の焦点は定まらないまま、ずっと無心で耐えた。

ちょっと和ませてくれたのは、山越えの途中でいきなりバスが止まったときだ。

『あれ?なんで急に止まるの???』
と思ったら、おじさんが一人降りていった。
『なんだ、下車する人がいたのか。』
と思ってたら、しばらくしておじさんが何かを持って戻ってきた。
『なにやってんだ??』
おじさん皆に何かを配っている。僕もその小さな欠片をもらった。
「これはなんですか??」
僕が尋ねるとおじさんは、
「これはココナッツだよ。さあお前も食ってみるか?」
と笑顔で答えるじゃないか。

しっかし・・・、おっさんの一声でみんなのバスは止まるんだなあ(笑)
もらったココナッツの欠片をかじってみたら少し苦くて甘かった。普通なら食べてないかもしれないけど、ひもじかったからそんなココナッツの欠片も美味しそうに見えてしまった。実際素朴でうまかった。

バスから外を見渡した。バスが止まってるせいだろう。
周りには、風の音と、木々の葉っぱがこすれる音、そして雨粒が落ちる音しかなかった。
たまに動物の鳴き声も聞こえたと思う。
走りつづけてたら、たぶん外の風景の美しさを感じる余裕なんてなかっただろうな。おじさんに少し感謝。

バスは何事もなかったかのように再び走り出す。

でもやっぱり入り口から入る風は寒い・・・
なにが楽しくてドア全開で走るんだよおお。

バス停で休憩

どっかのバスステーション
売り子に圧倒されてもお金が無いから買えないぞ
Olympus OM10
AGFA APX400


最高のパン、ありがとう

インド、サトナという小さな町の駅にて。

早朝の駅の警察署には濃い顔のおっさんが一人普段着でいた。本当に警察署かよ!?と思ったがどうやら本当らしい。

このおじさんに、ことの事情を説明したが、なかなか英語が伝わらず苦労した。
『僕の発音がインド風じゃないからかな?』
と思って、ちょっぴりrの発音を巻き舌にしてみたが大して効果が現れないみたい。どうやらこのおじさん、あまり英語が得意じゃないみたいだ。

何度も何度も同じことを説明して、盗難に遭ったことが何とか伝わったみたいだ。やっぱりショックで余裕がないみたいだ。イライラしすぎている。でもまだ眠いから頭はそんなに回らない。

一時間かそこらで調書をようやく書いてもらった。
盗難にあった品を海外保険で補償してもらうためには、盗難の証明書がいる。おじさんにそのことを説明。一所懸命に説明。
こっちは必死だ。何とか証明書を作ってもらった。といってもおじさん、英語がかけないらしい。
まっさらな紙とペンを持ってきて、
「おい、お兄ちゃんや、これに私が英語で言うことを書いてくれな」
と。
おいおい、盗まれた当人が証明書を書くんかいな。おっさんの英語を聞きながらとりあえず書いたが、これはどう見たって高校生が一所懸命書いた作文じゃねーかよ。

『これ、日本で見せてちゃんとお金戻ってくるのかな・・・』

不安はあるが、今はこのおじさん、警察官だけが頼りの綱なので従うしかない。
紙の裏側、正式には表側を見たら、ヒンデゥー語でちゃんとした証明が書かれていた。実はさっきから時間がかかっていたのはこの書類を書いてくれてたからなのだ。少しホッとしたが、果たして日本でこれを見せて理解してもらえるかが不安・・・

待ってる間、列車で知り合ったサトシ君が、持ってるギターで曲のフレーズを弾いてくれたりしてちょっと心が和む。

『まあ、これから何とかなるっしょー』

ってな楽観的な気持ちになってきた。ここでもし僕一人だったらかなりきつかっただろうなあ・・・ 苦境を分ってくれて、しかも言葉が通じる相手が近くにいてくれて本当に良かったな、と思える。

あ、そうそう。前の記事でも言ったが、現在の所持金二人合わせて134ルピーだ。日本円で300円ちょっと。しかも、内一人はT/Cからカメラ、帰りの飛行機のチケットまで盗まれてすっからかんだ。これはかなり危機的な状況。
サトシ君は、ドル紙幣なら持ってるんだがなんせまだ朝7時とかだから銀行は開いてないし、第一どこに銀行があるのかさえ分らない状態。
その後、警察署の所長らしき御偉いさんが出勤してきたので、どうにか両替してくれと頼んだがもちろんNOだった。
サトシ君は両替してくれる人を探したが、やっぱりだめだった。

このサトナ駅の警察署の人々。警察官についてだが、実はかなり親切な人だった。最初、僕はイライラしていたけど、次第に打ち解けるにしたがって悪い人じゃないと思えてきた。
僕らは所持金が少なくて、朝食を買う余裕がなくて、チャイもパンも何も食べずに数時間を過ごしたいた。証明書を書いてくれたおじさんはそんな僕らを気にしてくれて、チャイとバターを塗ったパン一切れを出してくれたのだ。
途方に暮れて、腹が減って、頭がフラフラしてた僕にとって、この時のチャイとパンの味は旨かったなあ、と今でも思う。
困難に遭って「人の親切さ」がやけに身にしみる。
少し、泣けてきたな、この時。全て盗まれた自分のバカさ加減と、そして周りの人の暖かさに。

周りで聞き込みをしたところによると、サトナからカジュラホーへ行くバスは9時半に出るらしいとのこと。料金は一人60ルピーらしい。
駅からバスステーションまでは距離があるのでリクシャを使わなければならない。

バス代二人分120ルピー + リクシャ代10ルピー = 130ルピー

所持金は134ルピーだ
警察署で、僕とサトシ君は悩んだ。
ギリギリ間に合うバスへ向かうか、それとも銀行が開く時間まで待って、お金を手に入れてから行動するか。
カジュラホーへのバスは一日数本しかないとの情報がある。次はお昼過ぎだろう。乗り過ごすとカジュラホーに着くのは夜になる。


僕らは、少ない所持金をポケットにつっこんで振りしきる雨の中、バスステーションを目指すことにした。